パンくずをねだるスズメの後頭部くらい孤独で幸福でした
定期になってきた短歌ペタの巻
毎度ながら何枚目か忘れた!(メモれ)
去年の暮れ~直近ぐらいまで、ダブりは自分でもわからない!(メモれ)
ちゅんちゅん
ついたちの時報は未来の話する「みんなさよなら」冬まだ居るね
飛行船割れるところを見てみたい僕はなんにも持っていません
最後に使える言葉はさようならいつでもきっとたったそれだけ
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なくたまごむしぱん
雲のふりをした雲でないもの浮かんでいる誰かのさびしさだろう
白い鳩逃げたくらいで祈りなど忘れる日々のためにと祈る
きのう誰かが飛び込んだ線路にも電車は走るから乗って行く
このそらはタキスのそらの果ての果て八十三年めの高架線
「まだ向こうだよ」と教えた指先が空に喰われた自由の終り
ファイルにとじてそれきりの夕方は七時すぎたらゴミに出します
雨の予報でもないのに傘を持っていった理由をきけばよかった
影だけがここにいたよな真夏日にあなたが去ってようやくの雪
七人が虹と言うから見た空にひとり見ていた八色の虹
ぼくたちは油膜の虹が欲しくってボタン電池で生きていました
融点を探そうとして微笑んだきみを見ていたあの日は冬日
雪だるま作って壊しまた作り壊し作っていっぱい笑う
夜更けごろ窓に「泣くな」と書く指のつめたさつくりもののようだな
かなしみとよろこびの引くそり走る道は新雪きみだけのもの
縁あらばほんの一秒くださいな、今年もよろしくお願いします
すこやかな君の手のひら二つ鳴り、祈りは雪のかわりに光る
ポッキーとプリッツみたい(失礼か)あなたのようなその人は誰?
うぬぼれてくれるな君の左手よ誰といようが寒いは寒い
この前の世界でラムネ飲んだのは誰とだったか雲ひとつない
えらそうな人に会ったら言うんだよ「みんな同じでみんなばかです」
煙突の火でピクニックぎょしゃ座燃ゆ東扇島は夜ばかり
ラーメンにちくわを入れる入れないでもめた一分半の議事録
どせいさんなら「むぎちゃ。」って言うところ、ぼくはまぼろし忘れていいよ
あ、無理?なら今日やめよっか(←この二人、再会するのは三十年後)
もうすぐで君のいのちの日と書く日まだ僕ら歩いているんだよ
想像の海でくじらは跳ねる大引力と大重力をもって
雨に踏み分けた道でも枯れていく眠りの季節(ではまた春に)
敵同士にならなければ気がすまなくて世論と名付け世間と名乗る
パンくずをねだるスズメの後頭部くらい孤独で幸福でした
(ここから未ポスト)
からっぽの箱だとずっと知っていて蓋を開けたり閉めたりしてる
乾いた目で覗く秘密の穴の先ぼくはほんとに役立たずだな
「落としたのはどちら?」落としたことさえも気づかなかった、なんて言えない
なめらかに廃棄循環再生し擦り切れるレアメタルの心
温かい麦茶のポット傾ける、あのことはもう昔の話
そんなんじゃないそんなんじゃない僕がほしいのはそんなんじゃないんだ
川渡る電車の窓にさよならを投げたそのまま撃ち返された
一度だけ見上げた空に渡り鳥 帰る、帰らない、まだ選べない
飛行機雲に引き摺られぺらぺらとはためく愛を眺めるふたり
雨の日は時計の針を止めて寝ることにしているんです、先生
せがまれて満たした空のティーカップ「あなたはここにいるほかないよ」
青から赤になるまでがにんげんの命の長さ、息を切らして
飛び飛びのCDくれたキミは今頃飛べるようになりましたか
緑に塗った地球儀を回して回して壊してごめんで済ます
地球儀を緑に塗って逃げてく子 ねえ、ありがとね、きみのおかげだ
三月の空それはそれ宇宙ゴマ握る指からうまれくる空
無期限で任された留守番の夜鍵のない部屋眠れない真似
色のない灰とか砂に憧れてまた廃路線歩いて帰る
アドバルン立つ屋上は天国で海で五月で牢獄だった
嘘でもいいんだって、と指一本で弾くピアノ、すごく楽しい
僕の待つ春があなたの待っている春の一部でありますように
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