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ざくざく雑記

PCの中身を整頓してて出てきたやつをなんとなくはってみる会、第一回。
架空日記みたいの(前半)と、400字シリーズ的なやつ(後半)。

長いですので、ヒマな時の読み物としてどうぞ。

フィクションです!キリッ!

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「マニュアルA」


これは最終兵器です。
あなたがもし、ずっと見つけられないのであれば、きっとお役に立ちます。

まずは幸運にも(または運命のいたずらというものによって)本品を手に入れたあなた、おめでとうございます。これは最終兵器ですから、あなたは最終的に最強です。
しかしあなたはこの時点で、本品を持っているということを決して誰にも知られてはいけません。絶対にです。これは誰にとっても最終兵器なのです、場合によってはあなたが危険にさらされるおそれがあります。家に隠しカメラや盗聴器がないかどうか一通り確認しましょう。見つかったとしてもちょっと問題ですが。

いまからご案内する手順に従って作業を進めてください。
本マニュアルに従わない場合の事故等においては一切の責任を負いかねます。



用意するもの、注意点等について。

まず服装はなるべく厚着、露出は避けてください。必ず手袋、マスク着用のこと。
また、作業はすべて一人で行ってください。
時間帯は夕方以降をおすすめします。たそがれエネルギーが作用します(ここではたそがれエネルギーについては割愛します)。
要するにこういったものは、光に当たるとその純度を失う可能性があるからです。朝日のすがすがしさに用はありません。闇にこそ、あなたの作業を成功させるエネルギーがあると考えてください。
BGMの使用は効果的です。あなたのお好みのものでけっこうです。理由は言えませんがレゲエはあまりお勧めしません。

・ビーカー等の容器(熱してもよいもの)
・キッチンペーパー
・電子レンジ(オーブン不可)
・レモン汁少々
・テレビ
・新聞


用意が整ったら、まず「袋A」を開封します。
中身をすべて容器に移しかえます。

(※この先超長いので割愛)


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[13]

フグの剥製について。よく威嚇のためにふくらんだ状態のまま剥製になっているフグを見る、あれはフグの怒りのボルテージを保ったままの状態で剥製にするんだろうかと思っていたら、そんなはずないでしょと彼女に言われた。中にいろいろつめこんで、伸ばすのよ、と。なるほど。でも、フグにしてみればふくらんだままの状態で保存されるのはいささか辛くはないのだろうか。今度聞いてみよう。


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[36]

ふれる。ふれあう。だれかの考えていることとまた違う誰かの考えていること。万人が万人に好かれるならあっというまに世界は平和になる。でも人は人を嫌う。


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[53]

多幸感。繰り返し、目覚めたらもう明るい、あたたかな光。時計を探す、11時すぎ、寝過ぎたなと思って隣の部屋を覗く。誰もいない。なぜかこの部屋の時計は8時半ごろを指していて、少し混乱する。本当は何時なのだろうと思って下へ降りていく。網戸だけの茶の間は風がよく通っている。時計を見たら、11時になる少し前だった。誰もいない。しかし、皆がいる気配に満ちている。生活が生きている。庭に差す溢れる光。自転車が二台停めてある。買い物袋がカゴにあるから、どこかに行ってきたのだろう。庭のかたすみ、アリがよく働いて大きな巣を作っているのを見て、うれしくなる。外から、ざくざくと音が聞こえる。そうか、まだ雪が残っているんだっけ……と考える。暖かい道路に割った雪をひろげていく。繰り返し、暮らしながら、使者のように、春までの時間をわずかに早める。誰が、とは思わない。知っているからだ。こんなにも、しあわせな家をほかに知らない。


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「はぐれうなぎ」


日曜日の朝。
僕の家のすぐ前の道路で、細長いものがぴたぴたしていた。どう見てもうなぎだった。
「いかにも、うなぎなのだ」
驚いたことにうなぎはしゃべった。
「……どうしてここに?」
そんなことより聞かなきゃならないことがある気がしたけど、長くなるからそれは気にしないことにする。
「はぐれたのだ」
「はぐれた?」
「群れとはぐれてしまったのだ」
うなぎは切なげな声で語る。うなぎが群れるのかどうかもあやしかったが、それも気にしないことにする。
「他の皆さんの行き先は?」
「言えないのだ」
「どうして?」
「掟なのだ」
うなぎは頑に首(?)を横に振った。かと言って、このまま道路でぴたぴたしていたら死んでしまうだろう。
「……僕はどうすれば?」
「掟に従うのだ」
そんなわけで、その日の夕食はうな重だった。
うなぎの掟は厳しいのだなあと思い、僕はしっかり生きようと誓った。


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「記憶喪失ツアー」


まもなく右手に見えますのが、『初恋のあの人』でございまーす。お名前は覚えていらっしゃいますか?
続きまして『書き初めが入選した日の感動』でございます。多くの方が「初日の出」。よくある感じですね。左手が『受験に失敗して挫折』でございます。その隣が『成人式』、そして『初任給に涙』ですね。奥の方に『人には言えない結婚式での失敗』が一瞬だけ見えます。この先は少しばかり申し上げにくい内容になりますので割愛させて頂きます。『我が子の成人式』、これは素敵な思い出でございますね。
右手に見えますのが、『若き日の父と母が出会った瞬間』でございまーす。これは皆様の記憶にはございませんね、これもまた旅の楽しみということで……。
間もなく、目的地に到着いたします。着きましたら、皆様の記憶はすべてお預かりさせて頂きますので、バスの中にお忘れなきようお願いいたします。
お疲れ様でございました。


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「後藤を待ちながら」


僕らは後藤を待っている。
「アイツ何やってんだよ」
隣の佐藤がベンチの角を蹴っ飛ばした。
「伊藤、電話しろよ」
「お前がしろよ」
だけど結局はどちらも電話しない。もう少し待てば来るだろうと思って座り直すのだ。僕らは後藤がどうして遅れているのか考えはじめた。
「まだ寝てる」
「道に迷った」
「テレビに夢中」
「時計が狂ってた」
「チャリのサドルがなかった」
「犬に追われてあらぬ方向に走った」
「ひったくりに遭って一文無し」
僕らはだんだん、後藤がもうここには来られないんじゃないかと思いはじめた。
「佐藤、電話しろよ」
「お前がしろよ」
でも、やっぱり電話しない。
後藤は忘れてるんじゃないか。僕らはそう思っていたに違いない。
だけど口には出せなかった。忘れられていたら、僕らがここにいる理由を考えなくてはならなくなってしまう。
僕らはただ単に、後藤を待ちたいだけだった。


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「タワー」


春。僕の窓からよく見える広場で工事が始まった。塔を建てるらしい。
山の雪も完全になくなるころ、まずは銀色の四本足がなにもなかった広場に現れた。飼い犬がそれを見て珍しくしっぽを振っていた。
夏。塔は日々少しずつ高くなっていくが、まだ完成する気配はない。ところで、あの塔はいったい何のために建てるのだろうか。猛暑が続き銀色の足も揺らいで見えた。飼い犬が体調を崩した。
秋。もう少しで完成というところで、塔の建設がなぜか止まってしまった。あとはてっぺんの棒を立てればいいだけなのに。それともあれで完成なのだろうか。
飼い犬の病気は悪くなるばかりだった。
冬。てっぺんの棒が立つのを見ないまま、犬は死んだ。灰色の空の下では、塔も冴えない灰色だった。犬に、もう少しで出来上がると言い続けていた僕は嘘つきになってしまった。
次の春。やっと、塔が完成した。家族が捨て犬を拾ってきて、タワーと名付けた。


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オワリ。

なんかこう…書いてるときは何とも思ってないけど、
冷静に読み返すとかなり頭おかしいな…。←
念のため、セットでマニュアルBもあって、それで正気に戻ってます。

まさかの後藤待ちにじぶんでびっくりした。


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